医薬品・化粧品売場の仕事・職務内容と将来性

医薬品・化粧品売場 暮らしの品

GMS(総合スーパーマーケット)だけではなく、SSM(食品スーパーマーケット)でも医薬品や化粧品を扱う店舗はありますが、実際の仕事や将来性はどうなのでしょうか?

医薬品・化粧品売場の取扱商品(取扱品目)

スーパーマーケットにおける医薬品・化粧品売場の取扱商品はドラッグストアとは考え方が異なりますが、元々はドラッグストアのメイン商品の取扱商品と同じです。

医薬品・化粧品売場の取扱商品(取扱品目)

スーパーマーケットの医薬品売場

スーパーマーケットにおける医薬品・化粧品売場の取扱商品は、医薬品および健康食品、介護用品・介護食品、化粧品となります。

ただし日用消耗品(ノンフーズ)とどちらが取り扱うか会社によって異なっている商品もあります。

例えばトイレットペーパーや洗剤などはドラッグストアで購入するという人も多いと思いますが、スーパーマーケットによっては「トイレットペーパーや洗剤等」はノンフーズであったり、医薬品・化粧品売り場の人が担当しているということもあります。

あくまでも担当であって、売場は分けられていることも多いです。

医薬品・化粧品売場の仕事内容

社員・パート・アルバイトによって仕事内容は変わるのは、他の部門と同じですが、医薬品・化粧品売場ならではの職種もあります。

また持っている資格によっても仕事内容が変化することがあります。

社員の仕事内容

基本的に社員の仕事は、計画販売と発注等ですが、主な仕事は下記となります。

  • 販売計画の作成(月間・週間)
  • 食品全体・店全体で行われる会議への出席
  • 商品部が主催する会議への出席
  • レイアウト作成
  • 商談(主に中小規模のスーパー)
  • 書類関係の仕事全般
  • 演出
  • 発注業務
  • 商品の店出し(商品を並べる)
  • 値下げ・見切り業務
  • 廃棄業務
  • 管理業務(在庫管理・什器の管理 等)
  • POP作成
  • お客さん対応(接客含む)
  • レジ業務
  • クレーム処理
  • BA(ビューティーアドバイザー)の管理

スーパーマーケット(会社)によっては、POP作成業務は一切行わない・行わせてもらえない場合もあります。

販売計画は52週マーチャンダイジングという考え方の元、エンドや平台でどういう商品を売り込むのか?ということを中心に計画書を作成します。ただし会社本部の指示通りに行うだけの会社もあり、それだと仕事そのものにあまり面白さを感じないかもしれません。

商談は大手スーパーマーケットの場合は、まずすることはありません。むしろ中小規模のスーパーマーケットの方が行います。というのも、大手スーパーマーケットの場合、商談は商品部の仕事であり店舗単位で行うことが禁止されている場合もあるからです。

どうしても商談がしたい場合は、商品部経由で依頼することが多くなっています。

なお大手スーパーマーケットでは薬剤師免許を持った人を社員で雇っていることがあります。

パートの仕事内容

パートの仕事内容は、スーパーマーケット(会社)によりかなり異なります。

中規模のスーパーマーケットだと医薬品・化粧品売場の社員が1人のみということは普通にあり、社員の代行として実質的に社員と同じ内容の仕事を求められることがあります。

ただし一般的なパートの仕事内容は下記のことが多いです。

  • 食品全体・店全体で行われる会議への出席(社員不在時)
  • 発注業務
  • 商品の店出し(商品を並べる)
  • 値下げ・見切り業務
  • 廃棄業務
  • 管理業務(在庫管理 等)
  • お客さん対応(接客含む)
  • レジ業務

ノンフーズ・日雑は店舗によっては取扱商品数が非常に多いため、パートも担当部門を持ち、普通に発注業務は行うのが一般的です。

パートとしての登録販売者の仕事

登録販売者とは薬剤師ではないものの、第二類医薬品・第三類医薬品(この2つで一般医薬品の9割近くとなる)を販売しても良い資格です。

ドラッグストアや医薬品を扱うスーパーマーケットでは積極的に登録販売者の有資格者をパートとして雇っています。

基本的には一般のパートと同じ仕事内容となりますが、お客さん対応・レジ業務の割合が増えてきます。

また登録販売者は、通常のパートよりは時給が50~200円ほど高くなることが多いです。

働きながら資格取得を目指している人もいます。また会社によっては登録販売者の試験合格に向けて支援を行っている場合もあります。

アルバイトの仕事内容

アルバイトの時間帯・契約時間にもよりますが、基本的には社員とパートのフォロー的業務ということが多くなっています。

具体的には下記の仕事が多いです。

  • 商品の店出し(商品を並べる)
  • 値下げ・見切り業務
  • 廃棄業務
  • 管理業務(在庫管理 等)
  • お客さん対応(接客含む)
  • レジ業務

他の部署に比べてアルバイトの割合は低いです。

薬剤師のアルバイト

薬剤師をアルバイトとして雇っているところも多いです。

もちろん薬剤師資格を持っていることが前提となりますが、現役を退いた65歳以上の方がレジで販売したり軽い店出し(商品陳列)をするだけで良い場合が多く、更に時給も1400~2500円くらいとかなり割の良いアルバイトです。

BA(ビューティーアドバイザー)

化粧品売場には主に化粧品メーカーから派遣されてくるBA(ビューティーアドバイザー)がいる場合があります。

稀に店舗で雇っていることもありますが、基本はメーカー派遣です。

かなりの大型の化粧品売場でなければBAは常駐していないので、BAになりたい場合はスーパーマーケットよりも関連資格を取得して化粧品メーカー・ドラッグストア・百貨店へ就職する方をおすすめします。

薬剤師もしくは登録販売者の仕事

スーパーマーケットにおける薬剤師や登録販売者の仕事はほとんどがお客さんの対応およびレジ、簡単な品出しです。

スーパーマーケットで調剤まで行っているところは非常に稀で、恐らく調剤まで行っているところは、イオンくらいしかないでしょう。

と言ってもイオンでも調剤までしているところは非常に少ないです。

とりあえず医薬品を販売するために営業時間内は薬剤師もしくは登録販売者がいなければいけないため、言い方は悪いですが頭数を揃えるということが多くなっています。

ただスーパーマーケットによっては薬剤師や登録販売者がいない時間帯は医薬品売場は閉鎖して販売出来ないようにしているところもあります。

朝9時から夜9時以降まで営業しているスーパーマーケットは多いですが、薬剤師がいる時間帯は夕方5時~7時くらいというところが多く、その時間以降は医薬品売場は閉鎖としているところは見かけることが多いです。

医薬品・化粧品売場の仕事の将来性や店での貢献度

医薬品・化粧品売場の仕事の将来性や店での貢献度をチャート図にしてみました。

医薬品・化粧品売場の出世度

医薬品・化粧品売場に配属された場合、今後の出世にどれぐらい影響するか?と言えば影響はありません。

たまにスーパーマーケットの食品の花形部署は惣菜売場(デリカ)という人もいますが、それは小型のスーパーマーケットのことであり、中規模~大規模だと関係ありません。

ただし薬剤師・登録販売者の資格を持って就職した場合は、他の部署に移る可能性は非常に低くなります。

医薬品・化粧品売場の転職有望度

スーパーマーケット業界だけを見ると医薬品・化粧品売場がある会社は少ないですが、ドラッグストアや医薬品・化粧品を扱う業種(最近だと家電量販店やホームセンター等)まで目を広げれば、転職先はいろいろあります。

また薬剤師や登録販売者の資格を持っていれば転職に困ることはほぼありません。

医薬品・化粧品売場の大変さ

何を持って大変と見るか?ということもありますが、生鮮4部門(農産・水産・畜産・惣菜)に比べれば匂いがついたりしない分、大変では無いと言えます。

ただし医薬品や化粧品だと注意しないといけないことが非常に多いため、精神的にキツさを感じる人はいるでしょう。

医薬品・化粧品売場の面白さ

何に面白さを見出すか?ということにもよりますが、マーケティング的な根拠に基づいた発注に面白さを見出す人なら非常に面白い売場です。

生鮮4部門のような技術を覚えたいという人には面白みは欠けるかもしれません。

また接客が必要なことも多いため、接客が好きな人であれば面白さを感じられる売場です。

医薬品・化粧品売場の売上

基本的に売上が取りやすい売場であり、店での貢献度は比較的高いです。

ただし最近はドラッグストアの方に流れてしまうこともあり、売上を上げるのは難しくなっている店舗も多くなっています。

医薬品・化粧品売場の粗利

医薬品・化粧品は粗利そのものは非常に高い売場です。

売上さえ良ければ粗利益自体は非常に多くなります。

医薬品・化粧品売場の営業利益

基本的には営業利益が残る部署ですが、人件費の高騰により営業利益を圧迫している場合もあります。

医薬品・化粧品売場の人件費

医薬品や化粧品売場は、その売場だけでレジが必要のため人件費は高くなる傾向にあります。また薬剤師や登録販売者の給与・時給は一般の社員・パート・アルバイトよりも高くなるため、人件費そのものは高くなってしまいます。

医薬品・化粧品売場の展望

スーパーマーケットの医薬品・化粧品売場に関わらず、医薬品・化粧品売場の展望を軽く説明しておきます。

業界再編が進む

医薬品・化粧品の小売業界は高齢化・健康志向の高まりに伴い市場は活性化していますが、ここ数年で大きく業界の再編が進むと言われています。

というのもイオン系列が圧倒的なシェアを持つ医薬品・化粧品の小売業界で生き残りをかけて業界再編が進むと言われているからです。

また今までは店頭でしか販売出来なかった医薬品が、規制緩和によりネット通販も可能になってきています。

大手ネット通販と競合していくことも進んでいます。

医薬品・化粧品売場に関する補足事項・Q&A

上記で説明してきたこと以外で医薬品・化粧品売場に関する疑問点に思うであろうことや補足事項です。

Q
医薬品・化粧品売場があるスーパーマーケットでイオンくらいでは?
A

イオン以外にもありますが、確かに少ない売場です。実際にスーパーマーケットの医薬品・化粧品売場で働きたいということになったら、イオンへの就職となることが多いでしょう。

Q
医薬品・化粧品売場から撤退したら社員もやめさせられる?
A

絶対とは言えませんが会社として医薬品・化粧品売場から撤退した場合、社員もやめさせられるか?と言えば、そんなことはありません。

ただし食品売場への配置転換は行われると思いますし、それにともない薬剤師の資格を持っていたらその分の手当もなくなる可能性が高いです。

そのため、素直にドラッグストア業界等に転職されることをおすすめします。

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