スーパーマーケットの文房具売場・ステーショナリー売場はあまりアルバイトでもパートでも募集はかかっていませんが、どんな仕事内容なんだろう?と思った方へ、文房具売場・ステーショナリー売場の取扱商品から仕事・職務内容について詳しく説明します。
文房具売場・ステーショナリー売場の意味と取扱商品(取扱品目)
ステーショナリー売場の意味を説明した上で、勘違いされていることもある文房具売場・ステーショナリー売場の取扱商品・取扱品目について説明します。
ステーショナリー・ステーショナリー売場とは?

ステーショナリーとは、英語で「文具・事務用品」を意味する言葉で「stationery」と書きます。
「stationary」と間違えることもありますが「stationary」は「静止した」という意味です。
スーパーマーケット(会社)によって売場の名称は「文具売場」「文房具売場」「ステーショナリー売場」と変化しますが基本的には同じ意味です。
文房具売場の取扱商品

一般的な文房具であれば、想像する通りであり筆記用具から押印用具、ハサミや接着剤などの一般事務用具、図案製図用具、絵画用品・書道用品などです。
ただしスーパーマーケットにより品揃えはかなり変化します。また取扱う品目そのものがかなり変化することもあります。
会社需要が多い立地だったり学校需要が多い立地では品揃えが根本的に変化します。
また最近では以下の商品も文具売場・ステーショナリー売場の管轄・取扱になっていることが多いです。
- プリンターのインク
- ケーブル類(スマホの充電ケーブル)
- モバイルバッテリー
- 記録メディア(DVD-RやSDカード等)
- イヤホン等の小型家電関連商品
季節催事もある文具売場

年末になるとスーパーマーケットで年賀状印刷を受けている光景を見た人もいると思いますし、実際に頼んだことがある人もいるのではないでしょうか?
スーパーマーケットにもよりますが文具売場がある場合、文具売場の担当が年賀状印刷の担当となることも多いです。
また年が明けると今度は「お名前シール」の受付を行うこともあります。「お名前シール」は小学校入学に合わせて、名前を印刷したシールの注文を受けることです。
今は暑中見舞いの需要がかなり減ったので「暑中見舞い」印刷の受付を行うところは減りましたが2010年くらいまでは、スーパーマーケットでも暑中見舞いの印刷を受けていました。
文具売場・ステーショナリー売場の仕事内容と社員・アルバイト・パートの募集について
まずスーパーマーケットにおいて文具売場・ステーショナリー売場の社員やアルバイト、パートの受付状況から説明します。
文具売場専任の社員の募集は稀
スーパーマーケットの文具売場・ステーショナリー売場の社員の募集はほぼありません。
他の部門(売場)と兼ねての募集となります。
例えばノンフーズ売場の社員として文具も担当するということなら若干あります。一般的な食品スーパーマーケットならノンフーズ売場で一括してみています。
またはスーパーセンターやディスカウントストアなどでおもちゃやゲーム売場、家電売場と兼ねての社員募集も多くはありませんが、多少はあります。
文房具売場専任で働きたいということは現状、スーパーマーケット業界ではほぼ無理な状況となっています。
文具売場専任ということであれば、文具・事務用品専門店への就職・転職を考えた方が良いでしょう。
文具売場・ステーショナリー売場の社員の仕事内容
基本的に社員の仕事は、計画販売と売場の管理ですが、主な仕事は下記となります。
- 販売計画の作成(月間・週間)
- 店で行われる会議への出席
- 商品部が主催する会議への出席
- レイアウト作成
- 商談(主に中小規模のスーパー)
- 書類関係の仕事全般
- 演出
- 発注業務(カウント業務含む)
- 商品の店出し(商品を並べる)
- 値下げ・見切り業務
- 廃棄業務
- 管理業務(在庫管理・什器の管理 等)
- POP作成
- お客さん対応(接客含む)
- クレーム処理
- レジ業務(専用レジがある場合等)
スーパーマーケット(会社)によっては、POP作成業務は一切行わない・行わせてもらえない場合もあります。
販売計画は52週マーチャンダイジングという考え方の元、エンドでどういう商品を売り込むのか?ということを中心に計画書を作成します。ただし会社本部の指示通りに行うだけの会社もあり、それだと仕事そのものにあまり面白さを感じないかもしれません。
商談は大手スーパーマーケットの場合は、まずすることはありません。むしろ中小規模のスーパーマーケットの方が行います。というのも、大手スーパーマーケットの場合、商談は商品部の仕事であり店舗単位で行うことが禁止されている場合もあるからです。
どうしても商談がしたい場合は、商品部経由で依頼することが多くなっています。
「値下げ・見切り業務・廃棄業務」というと食品の業務のように思えますが、あらゆる売場で存在する業務です。メーカーの生産完了に伴い新商品を導入するのであれば、前モデルの商品は値下げして売り切ることもあります。
廃棄業務というのは、一定数をお客さんに(故意の有無は別にして)壊されるので、廃棄処分するしか無いこともあります。
カウント業務とありますが、文具などは自動発注という仕組みになっていることが多いです。商品が一定数売れると自動で発注がかかるというものです。
しかし万引き等で実際の在庫数と帳簿在庫がズレてくることがあるので、実在庫数をカウントする業務というものがあります。
また文具類はたまに大量注文を受けることもあるため、大量注文を受けた場合の発注業務もあります。大量注文の発注方法はスーパーマーケット(会社)によって異なります。
なお発注に関して、取扱点数が極端に少ない場合は単純にFAX発注という店舗もまだまだあります。
パート・アルバイトの仕事内容
パートやアルバイトの仕事内容は、スーパーマーケット(会社)によりかなり異なります。
文具売場の社員がいないことは普通にあるので、社員の代行として実質的に社員と同じ内容の仕事を求められることがあります。
ただし一般的なパートの仕事内容は下記のことが多いです。
- 演出
- 発注業務(カウント業務含む)
- 商品の店出し(商品を並べる)
- 値下げ・見切り業務
- 廃棄業務
- 管理業務(在庫管理・什器の管理 等)
- お客さん対応(接客含む)
- レジ業務(専用レジがある場合等)
文具・ステーショナリーという仕事の将来性や店での貢献度
文具・ステーショナリーという仕事の将来性や店での貢献度をチャート図にしてみました。
ただし専任の社員ということはほぼ無いので、他の売場と兼ねている場合も考慮しています。
ステーショナリー担当の出世度
基本的には他の部署と変わりありません。ただしスーパーマーケットとして文具売場そのものを廃止する方向性になることもあり、他の売場への配置転換が行われる可能性は十分にあります。
その際に、全く知識の無い売場への移動となるとまた1から商品知識・技術を身につけるため不利となる可能性はあります。
ステーショナリー担当の転職有望度
同じスーパーマーケット業界への転職は難しいです。ただし兼任していた他の部署次第でスーパーセンター・ホームセンター・ディスカウントストアなどへの転職は割と簡単なこともあります。
ただし小売業以外への転職になると少し難しいかもしれません。
ステーショナリー担当の大変さ
何を持って大変と見るか?ということもありますが、食品に比べれが大変では無いと言えます。
ただし食品よりも接客時間が長くなる傾向にあり、接客が苦手な人には大変と感じるかもしれません。
なお食品売場担当の社員の中にはレジ業務が一番苦手で大変だという人もいますが、衣料品・暮らしの品の売場はレジ業務も普通にあります。
ステーショナリー担当の面白さ
何に面白さを見出すか?ということにもよりますが、マーケティング的な根拠に基づいた発注や売り場づくりに面白さを見出す人なら非常に面白い売場です。
食品(主に水産や惣菜)売場のように技術を覚えたいという人には面白みは欠けるかもしれません。
ステーショナリーの売上
店の規模や環境によってステーショナリー売場・文具売場の売上は全くことなります。
例えば会社が近くにあって定期的に大量購入してくれるのであれば売上は大きくなりますし、学校が近くても売上が大きくなることはあります。
ステーショナリーの粗利
基本的に売上規模次第ですが、万引きが多い売場だけに粗利が低くなることも多い売場です。
文具の粗利は30~40%と言われており、この数値自体は食品よりも高いものです。
ステーショナリーの営業利益
人員をどれだけ文具売場にかけるか?ということにつきます。パート数人だけで行っていて売上もそれなりにあれば営業利益は高くなります。
またレジの人件費の按分をどれだけ文具売場に振り分けられているか?ということでも会社によっては変化します。
ステーショナリーの人件費
文具売場専任のパート・アルバイトを置かないスーパーマーケットもあります。その場合はそもそも人件費としてカウントしないこともあります。
基本的にパート1人を置くのなら1日の売上が最低でも3万円くらいは無いと難しいです。
文具・ステーショナリーという業界の将来性
スーパーマーケット業界に限らず、文具・ステーショナリーという業界の将来性を不安視する意見は割と見かけますが、実際のところどうなのでしょうか?
文具の市場規模は大きく変化していない
パソコンやスマホ等のデジタル機器・IT機器の拡大から手書き・手で加工するという作業が減ることで、文具市場は縮小していると思っている人は多いです。
しかし実はここ20年近く文具の売上規模はあまり変わっていない、むしろ若干成長しているものもあります。
経済産業省が発表している「統計表一覧(経済産業省生産動態統計)」を見る限りコロナ禍の影響を受けた2020年を除き大きく変化していません。
ただしこれは日本国内での需要が減っていないのではなく、日本製のペンが海外で人気で輸出による売上の拡大が影響しています。
日本国内の市場規模を矢野経済研究所の資料で見ると縮小傾向になっていますが、思ったよりは鈍い動きになっています。
しかし街の文房具屋はかなり減ってきており、会社を中心にネット通販の利用の拡大が考えられています。
スーパーマーケットや書店、文具の専門店などの売上自体は、恐らくかなり減少傾向にあると思われます。少子化の影響も当然あります。
- 文具の売上規模は変わっていない・むしろ微増
- 国内の文具市場規模は微減傾向
- スーパーマーケット等の小売店の売上は減少傾向
文具メーカーにおいては問題なさそうですが、一般的な街の小売店は厳しい状況が続きスーパーマーケットにおいても売場は縮小傾向になっていくと予想されています。
一般的な食品スーパーも文具の取扱は縮小傾向にあります。
転職なら他の知識も必要
スーパーマーケットで文具を扱っている場合でも、社内での出世や転職のことを考えるのなら、他のジャンルの知識もなければ難しくなってきています。
例えば文具売場で下記の商品を取扱うようになってきています。
- プリンターのインク
- ケーブル類(スマホの充電ケーブル)
- モバイルバッテリー
- 記録メディア(DVD-RやSDカード等)
- イヤホン等の小型家電関連商品
一昔前なら家電売場の商品と言えます。こういう商品の知識から家電製品の知識も身につけておく方が良いかもしれません。
どうやって身につけるかは、資格試験が良いでしょう。家電製品アドバイザーの資格および販売士の資格を取得しておけば家電量販店への転職も視野に入ってきます。
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