EDLPは小売業、特にスーパーマーケット業界・ディスカウントストア業界でよく使われる言葉です。
小売店側から見るとEDLP戦略とも言います。
EDLPはどういうことで、なぜ行っているのか詳しく説明します。
EDLPについて
EDLPはただ毎日安いという意味だけで小売業は使っていません。
EDLPとは

EDLPとは、EveryDay Low Price(エブリディロープライス)の頭文字をとったもので、日本語にすれば「毎日低価格」という意味になります。扱いのある商品すべてを基本的には常に低価格で販売する価格戦略のことです。
EDLPは、小売業界では「いーでぃーえるぴー」と言うのが一般的で「エブリディロープライス」と言うことはありません。
EDLP戦略とは・EDLPのメリット

EDLP戦略とは常に低価格で販売する価格戦略のことです。でもなぜ常に低価格で販売することをわざわざ価格戦略というのか、理由があります。
常に安いということがお客さんに浸透すれば、お客さんはチラシなどを見なくても安いという理由から店舗に来てくれます。つまり常に数あるスーパーマーケット・小売店の中から常に選んでくれるようになります。
常に選んでくれて多くのお客さんが来てくれるようになれば、チラシなどの広告宣伝費を削減出来るようになります。
広告宣伝費が減れば、その分価格を下げることも出来るようになり、好循環が生まれます。
EDLPで成功している小売店

EDLP・EDLP戦略において日本で最も成功していると言われているのがダイソーやセリア、CanDo等の100円ショップです。
というのも100円ショップのほとんど商品は税別100円ということを知っている人ばかりであり、100円という金額だから行くという人がほとんどです。
つまり100円という低価格で販売されていることが浸透された結果、チラシ不要になっており、まさにEDLP戦略として成功しています。
またオーケーやロピア、コストコ等のディスカウントショップは、一般的なスーパーマーケットよりもチラシを発行することが少なく、こちらもEDLP戦略として成功していると言えます。
EDLP・EDLP戦略のデメリット

EDLP戦略のデメリットは、販売者側がいくら安いと思っていてもお客さんが安いと思わない・感じなければ安さが浸透せず、お客さんが自然に来てくれるという好循環は発生しないことです。
一定の周期でチラシを発行しないといけなくなり、結果として広告宣伝費が減らず、更に安売りしているため利益も出にくくなり、結果として普通のスーパーマーケットの劣化版になってしまいます。
またEDLPのために人件費を削ろうとして段ボールによる陳列を行っているものの、むしろみすぼらしく、売場の綺麗に見えず、客離れが起きている場合もあります。
EDLPのみで成功しているスーパーマーケットはない
EDLP戦略を行っているスーパーマーケット・食品ディスカウントストアは実は存在していないかもしれません。
オーケーはオネストカードで人気

オーケーは「オネスト(正直)カード」というものを商品の値札(POP)の横につけている場合があります。
オネストカードにおいて「値上げするから早めに買った方が良い」「野菜なら、この野菜は品質が悪いから買わない方が良い」「この商品を買うのなら、こっちの方がお得」等、正直に告知していることで人気を集めています。
オネストカードがあるから信頼・信用出来ると言われています。
コストコは会員制で人気

コストコは年会費が必要なホールセールクラブと呼ばれる業態の店舗ですが、年会費を払ったのなら元は取らないと…という気持ちでリピートするお客さんが割といます。
また大容量による演出で割安感を出して人気を得ています。
ロピアは一方通行で割安感
ロピアは、一方通行を店内に設けることで出来るだけ多くの商品を見てもらい、戻りにくいことを利用して「買わなきゃ」と思わせる売場演出を行っています。
EDLP+アルファ
EDLPで成功していると言われているスーパーマーケット・ディスカウントストアもEDLPにプラスした戦略を行うことで売上を取るようにしています。
ディスカウントストアでもいつ行ってもお客さんが少ないと感じる某A社系列の店舗はただ安く感じさせるみずぼらしい演出だけで、EDLPで話題になっていません。
EDLPで成功していると言われる店舗は、必ずEDLP+アルファの戦略を行っています。
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