日配(デイリー)の仕事・職務内容と将来性

日配(デイリー)の仕事・職務内容と将来性 食品売場

スーパーマーケットへの就職・転職もしくはアルバイト・パート情報で「日配部門・デイリー」の募集を見たけど、日配って何を扱ってどういう仕事をするところだろう?と思った方へ、「日配部門・デイリー」の仕事・職務内容について詳しく説明します。

スーパーマーケットの中で花形では無いけど、もっとも営業利益を稼いでいる場合も多いのが日配(デイリー)部門です。

日配(デイリー)の取扱商品(取扱品目)

日配の取り扱い品目から説明します。なおスーパーによっては日配と言わずに「デイリー」という場合もあります。

日配の取扱商品(取扱品目)

スーパーの豆腐売場

日配の取扱商品(取扱品目)は、豆腐や納豆、生麺やチルド食品、牛乳などの紙パック飲料・ヨーグルトやチーズ等の乳製品 等、あまり日持ちがしない商品です。

また店内で製造せず、基本的には並べるだけの商品で要冷蔵・要冷凍の商品とも言えます。

ただしスーパーによって取扱商品の範囲が異なっていることが多々あります。

一般的な日配の取扱商品

マーガリン・バターなどの乳製品売場

ほとんどのスーパーマーケットで一般的な日配の取扱商品は下記の商品群です。

  • 豆腐・納豆・こんにゃく
  • 漬物(キムチや梅干含む)・佃煮・煮豆
  • 練物(はんぺんやちくわ、かまぼこ等)
  • チルド食品(要冷蔵の餃子やピザ、ポテトサラダ等)
  • 生麺
  • 牛乳・乳飲料
  • 紙パック飲料(要冷蔵)
  • チーズ・バター等の乳製品
  • ヨーグルトやプリン、要冷蔵のゼリー
  • ケーキやシュークリーム等の要冷蔵のスイーツ
  • パンや生和菓子(非冷蔵品)
  • 冷凍食品・アイスクリーム

スーパーによって日配の取扱商品になる商品

パック入の野菜

スーパーマーケットによっては日配の取扱商品となるものは下記の商品があります。

  • ハム・ソーセージなどの加工肉食品(ほとんどが日配・稀に畜産)
  • パック入りの野菜・モヤシやカットサラダ、野菜の水煮 等(ほとんどが農産)
  • 卵(ほとんどが日配・稀に畜産)

要冷蔵だったりあまり日持ちはしないけど、基本的に並べるだけの商品は日配としているスーパーマーケットもあるため、上記のような商品が日配になっていることがあります。

日配の仕事内容

社員・パート・アルバイトによって仕事内容は変わりますが、一般的な社員とパート・アルバイトの仕事内容です。

社員の仕事内容

基本的に社員の仕事は、計画販売と発注等ですが、主な仕事は下記となります。

  • 販売計画の作成(月間・週間)
  • 食品全体・店全体で行われる会議への出席
  • 商品部が主催する会議への出席
  • レイアウト作成
  • 商談(主に中小規模のスーパー)
  • 書類関係の仕事全般
  • 演出
  • 発注業務
  • 商品の店出し(商品を並べる)
  • 値下げ・見切り業務
  • 廃棄業務
  • 管理業務(在庫管理・冷蔵ケース等の温度管理 等)
  • POP作成
  • お客さん対応(接客含む)
  • クレーム処理

スーパーマーケット(会社)によっては、POP作成業務は一切行わない・行わせてもらえない場合もあります。

販売計画は52週マーチャンダイジングという考え方の元、エンドや平台でどういう商品を売り込むのか?ということを中心に計画書を作成します。ただし会社本部の指示通りに行うだけの会社もあり、それだと仕事そのものにあまり面白さを感じないかもしれません。

商談は大手スーパーマーケットの場合は、まずすることはありません。むしろ中小規模のスーパーマーケットの方が行います。というのも、大手スーパーマーケットの場合、商談は商品部の仕事であり店舗単位で行うことが禁止されている場合もあるからです。

どうしても商談がしたい場合は、商品部経由で依頼することが多くなっています。

パートの仕事内容

パートの仕事内容は、スーパーマーケット(会社)によりかなり異なります。

中規模のスーパーマーケットだと日配を担当する社員が1人のみということは普通にあり、社員の代行として実質的に社員と同じ内容の仕事を求められることがあります。

ただし一般的なパートの仕事内容は下記のことが多いです。

  • 食品全体・店全体で行われる会議への出席(社員不在時)
  • 発注業務
  • 商品の店出し(商品を並べる)
  • 値下げ・見切り業務
  • 廃棄業務
  • 管理業務(在庫管理・冷蔵ケース等の温度管理 等)
  • お客さん対応(接客含む)

日配は取扱商品数が非常に多いため、パートも担当部門(豆腐とか乳製品とか)を持ち、普通に発注業務は行うのが一般的です。

アルバイトの仕事内容

アルバイトの時間帯・契約時間にもよりますが、基本的には社員とパートのフォロー的業務ということが多くなっています。

具体的には下記の仕事が多いです。

  • 商品の店出し(商品を並べる)
  • 値下げ・見切り業務
  • 廃棄業務
  • 管理業務(在庫管理・冷蔵ケース等の温度管理 等)
  • お客さん対応(接客含む)

夕方から夜のバイトだと冷凍食品を中心に店出しをしたり、賞味期限の近い商品の値下げ・見切り業務(値下げシール・割引シールを貼る等)を行います。

朝の1~3時間のみのバイトだと商品の店出しと値下げ・見切り業務や売れ残って廃棄しなければいけない商品の廃棄業務がメインとなります。

日配のメインは日々の発注業務だけど

日配のメインは日々の発注業務です。日持ちしない商品がメインとなるため思ったよりも売れなかったり、思ったよりも売れていたら発注数を調整しながら、値下げしたり廃棄する商品を減らすことで、利益を上げていくことになります。

ただ発注に時間をかけすぎると今度は売場のメンテナンスが行き渡らなくなるので、如何に効率的な発注業務が出来るか?ということになってきます。

最近は大手スーパーを中心にAIによって発注数の提案を行うようになってきています。

お客さん対応(接客含む)

売場で商品を陳列することが多いため、どうしてもお客さん対応・接客は発生します。

基本的には商品の場所を聞かれて案内することが8割以上ですが、迷子の対応や体調不良になった方への対応、クレームを受けるということもあります。

日配という仕事の将来性や店での貢献度

日配という仕事の将来性や店での貢献度をチャート図にしてみました。

日配担当の出世度

日配に配属された場合、今後の出世にどれぐらい影響するか?と言えば影響はありません。

たまにスーパーマーケットの食品の花形部署は惣菜売場(デリカ)という人もいますが、それは小型のスーパーマーケットのことでだり、中規模~大規模だと関係ありません。

なお上昇志向が強い場合、一般的な食品メインのスーパーマーケット7部門の中でもっとも営業利益や粗利額を上げることが出来れば、評価されやすくなります。7部門については後述しています。

日配担当の転職有望度

同じスーパー業界への転職の場合、日配はやや不利なことが多いです。というのも中小規模のスーパーマーケットだと日配はやや軽く見られていたり、パートのみで回していることがあり、日配担当の正社員はあまり募集していないためです。

ただし日配だからこそ覚えられるマーケティングの知識を活かせばいろいろな業種への転職は可能で、他業種ということであれば、もっと評価は高くなります。

生鮮4部門(農産・水産・畜産・惣菜)の社員は職人気質になる傾向にありますが、日配はむしろデータによる発注でマーケティングに寄る傾向があります。

他業種への転職まで考えた場合は、日配がおすすめです。

日配からだとメーカーの営業職が比較的転職しやすい職種になっています。

またきちんとマーケティング能力を高めていれば30代前半までならコンサルティング会社への転職も可能な職種となっています。

日配担当の大変さ

何を持って大変と見るか?ということもありますが、生鮮4部門に比べれば匂いがついたりしない分、大変では無いと言えます。

ただし12本の牛乳が入ったケースを何回も運んだりと、重たいものを上げ下げするので、腰痛に悩まされる人が多くなっていますが、これはスーパーマーケットで働く人の多くが経験していることです。

日配担当の面白さ

何に面白さを見出すか?ということにもよりますが、マーケティング的な根拠に基づいた発注に面白さを見出す人なら非常に面白い売場です。

生鮮4部門のような技術を覚えたいという人には面白みは欠けるかもしれません。

日配の売上

日配の売上は一般的な食品メインのスーパーマーケットにおいて7部門の中で約18%くらいとなっています(7部門は下記の図を参考)

スーパーマーケットの基本7部門

日配よりも売上が大きいのは加工食品のみで、売上の影響力はかなり大きいです。

青果 水産 畜産 惣菜 日配品 加工食品 非食品 合計
16.3% 11.4% 13.3% 10.1% 17.9% 25.5% 5.4% 100.0%

*出典:統計・データで見るスーパーマーケット

上記が一般的な食品メインの売上構成比です。

日配の粗利

日配は粗利率自体は、他の部門に比べて高くはありません。平均すると各部門ごとの粗利率は下記のようになっています。

農産 水産 畜産 惣菜 日配 加工食品 非食品
22.80% 28.10% 28.40% 36.60% 22.80% 19.30% 20.50%

生鮮4部門が粗利率が高くなるのは当然なので、あまり気にしなくて構いません。

日配の営業利益

日配は生鮮4部門や加工食品よりも人件費を抑えられる傾向にあります。そのため粗利率は低くても最終的な営業利益は、スーパーマーケットの各部門の中で最も高くなる場合もあります。

日配よりも営業利益が大きくなるのは加工食品ということも多いのですが、これは店舗特性にもよります。

日配の人件費

日配は先述した通り、人件費を最も抑えられる傾向にあります。

これは当然で、生鮮4部門と違い、店内で加工・製造をするということが無いため、生鮮4部門に比べると人そのものが少なくなるためです。

結果として人件費が抑えられて営業利益そのものは非常に大きくなります。

日配に関する補足事項・Q&A

上記で説明してきたこと以外で日配に関する疑問点に思うであろうことや補足事項です。

Q
和日配・洋日配って何?
A

和日配とは、豆腐や納豆、こんにゃく・漬物・練物等、昔から日本で食べられている日配で扱う食品のことです。対して牛乳や乳製品、パン等の洋食的なものが洋日配となります。

Q
何で日配というの?
A

元々は「毎店舗に送される食品」から日配食品となり、日配品・日配と呼ばれるようになりました。日配のことをデイリーというのも毎日の日から来ています。

Q
チルドグロッサリーと日配の違いは?
A

日配のことを一部スーパーマーケット(会社)で「チルドグロッサリー」というところもありますが、基本的には日配と同じです。ただし規模が小さなスーパーマーケットだと1人の社員が通常のグロッサリーとチルドグロッサリーの両方を担当していることもあります。

以上、日配についてでした。

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