スーパーマーケットのパート・アルバイト募集でもたまに見かける「ノンフーズ売場」という言葉、実際の仕事や取扱品目にはどんなものがあるのだろう?と思った方へ、「畜産売場・精肉売場」の取扱商品から仕事・職務内容について詳しく説明します。
ノンフーズ・日雑(日用消耗品)売場の意味と取扱商品(取扱品目)
最初にノンフーズ・日雑の意味やどこの売場か説明した上で、ノンフーズ・日雑(日用消耗品)売場の取扱商品・取扱品目について説明します。
ノンフーズ・日雑とは?

ノンフーズとは、英語で書くと「non foods」と書きます。つまり非(non)食品(foods)ということで非食品という意味になります。日雑は日用雑貨という意味です。
食品スーパーマーケットにおいて食品以外に取り扱っている商品と言えばトイレットペーパーやティッシュペーパー、洗剤や歯磨き粉・歯ブラシ などがありますよね。そういった日用消耗品・日用雑貨のことをノンフーズと言います。
スーパーマーケット(会社)によっては「日用雑貨」から「日雑」と言うこともあります。
ノンフーズ・日雑の取扱商品(取扱品目)

ノンフーズ・日雑の取扱商品は想像がつくと思いますが、スーパーマーケットによってノンフーズ・日雑でも5~10くらいに商品分類をしていることが多いです。
- 紙類(ティッシュ・トイレットペーパー)
- オムツ関係(乳幼児・要介護者用)
- 食器用洗剤(皿洗い用等)
- 住居用洗剤(トイレやお風呂掃除用等)
- 洗濯用洗剤(柔軟剤も含む)
- 台所用品(ラップやアルミ箔、スポンジやゴミネット類・ゴミ袋)
- お弁当小物(バランやアルミカップ、割箸や紙コップ)
- ペットフード
- 整髪料・髪染め
- 歯磨き粉・歯ブラシ
スーパーマーケットによって分類はかなり異なりますが概ね上記のような分類になっているかと思います。
スーパーマーケットで差があるノンフーズ・日雑の取扱品目

ノンフーズ・日雑ほどスーパーマーケットでの取扱の差があるものはないと思うくらい、スーパーマーケットによって差が大きくなっています。
一般的な食品スーパー(SSM・SM)だと先に挙げたものがほとんどですが、中にはフライパン等の調理用具や食器、文房具や管球・乾電池、ストッキングや靴下なども取り扱っていることがありますよね。
それらはノンフーズ・日雑が担当していることがほとんどです。ただし食品スーパー(SSM・SM)ではなく、総合スーパー(GMS)になってくると異なってきます。
食品スーパー(SSM・SM)でも薬局(医薬品売場)があるところでも変わってきます。
海に近い小さなスーパーマーケットでも夏になるとビーチボールやパラソル、クラ-ボックスを扱う場合がありますよね。それらもノンフーズ・日雑が担当することがほとんどです。
スーパーマーケットを運営する会社の数だけ「ノンフーズ」「日雑」の範囲は変わってきます。
また小さいスーパーマーケットだとグロッサリー(加工食品)がノンフーズの担当も兼ねていることはよくあります。
ノンフーズ・日雑の仕事内容
社員・パート・アルバイトによって仕事内容は変わりますが、ノンフーズ・日雑部門における一般的な社員とパート・アルバイトの仕事内容です。
社員の仕事内容
基本的に社員の仕事は、計画販売と発注等ですが、主な仕事は下記となります。
- 販売計画の作成(月間・週間)
- 食品全体・店全体で行われる会議への出席
- 商品部が主催する会議への出席
- レイアウト作成
- 商談(主に中小規模のスーパー)
- 書類関係の仕事全般
- 演出
- 発注業務
- 商品の店出し(商品を並べる)
- 値下げ・見切り業務
- 廃棄業務
- 管理業務(在庫管理・什器の管理 等)
- POP作成
- お客さん対応(接客含む)
- クレーム処理
スーパーマーケット(会社)によっては、POP作成業務は一切行わない・行わせてもらえない場合もあります。
販売計画は52週マーチャンダイジングという考え方の元、エンドや平台でどういう商品を売り込むのか?ということを中心に計画書を作成します。ただし会社本部の指示通りに行うだけの会社もあり、それだと仕事そのものにあまり面白さを感じないかもしれません。
商談は大手スーパーマーケットの場合は、まずすることはありません。むしろ中小規模のスーパーマーケットの方が行います。というのも、大手スーパーマーケットの場合、商談は商品部の仕事であり店舗単位で行うことが禁止されている場合もあるからです。
どうしても商談がしたい場合は、商品部経由で依頼することが多くなっています。
パートの仕事内容
パートの仕事内容は、スーパーマーケット(会社)によりかなり異なります。
中規模のスーパーマーケットだとノンフーズ・日雑を担当する社員が1人のみということは普通にあり、社員の代行として実質的に社員と同じ内容の仕事を求められることがあります。
ただし一般的なパートの仕事内容は下記のことが多いです。
- 食品全体・店全体で行われる会議への出席(社員不在時)
- 発注業務
- 商品の店出し(商品を並べる)
- 値下げ・見切り業務
- 廃棄業務
- 管理業務(在庫管理 等)
- お客さん対応(接客含む)
ノンフーズ・日雑は店舗によっては取扱商品数が非常に多いため、パートも担当部門を持ち、普通に発注業務は行うのが一般的です。
アルバイトの仕事内容
アルバイトの時間帯・契約時間にもよりますが、基本的には社員とパートのフォロー的業務ということが多くなっています。
具体的には下記の仕事が多いです。
- 商品の店出し(商品を並べる)
- 値下げ・見切り業務
- 廃棄業務
- 管理業務(在庫管理 等)
- お客さん対応(接客含む)
夕方から夜のバイトだと店出し専門になっていたり、賞味期限の近い商品の値下げ・見切り業務(値下げシール・割引シールを貼る等)を行います。
朝や夕方から夜の2~3時間のみのバイトだと商品の店出しがほとんどです。
ノンフーズの発注は修正業務が一般的
他の食品は発注業務はまさに商品の発注数を日々調整することがメインとなりますが、ノンフーズの場合は発注というよりは発注数の修正が大手スーパーマーケットを中心にメインになることが多くなっています。
というのもノンフーズはある程度売れたら自動的に発注がかかる仕組みになっており、そもそも日々の発注業務というものが他の食品部署に比べると非常に少なくなっています。
ただし在庫数は(ストコンの)帳簿上で管理している数と実際の数の差が合わなくなってきます。というのも万引きや破損品の処理忘れがどうしても発生してしまうためです。
また伝票そのものの数が間違っていることも稀に発生します。
だから実際の数と帳簿上の数が合わない時などに発注数の修正・在庫数の修正という業務が発生するので、それがノンフーズの発注業務とも言えます。
もちろん売り込みたい商品や時期・店舗特性によって極端に売れる商品などの追加発注という業務もあります。
お客さん対応(接客含む)
売場で商品を陳列することが多いため、どうしてもお客さん対応・接客は発生します。
基本的には商品の場所を聞かれて案内することが8割以上ですが、迷子の対応や体調不良になった方への対応、クレームを受けるということもあります。
ノンフーズにおける値下げ・廃棄業務
ノンフーズ売場でペットフードや介護用の食品を扱っている場合もあります。それらの商品は消費期限が設定されていることもあるため、時折日付管理をして消費期限が近くなると値下げを行ったり、販売限度日を超えたら廃棄業務が発生します。
販売限度日はスーパーマーケット(会社)によって異なりますが、例えば消費期限が1年の商品なら残り半年になったら値下げ、2ヶ月になったら廃棄というようなルールを作っている会社もあります。
ノンフーズ・日雑という仕事の将来性や店での貢献度
ノンフーズ・日雑という仕事の将来性や店での貢献度をチャート図にしてみました。
ノンフーズ担当の出世度
ノンフーズに配属された場合、今後の出世にどれぐらい影響するか?と言えば影響はありません。
たまにスーパーマーケットの食品の花形部署は惣菜売場(デリカ)という人もいますが、それは小型のスーパーマーケットのことであり、中規模~大規模だと関係ありません。
なお上昇志向が強い場合、登録販売者の資格をとっておくことをおすすめします。
ノンフーズ担当の転職有望度
同じスーパー業界への転職の場合、ノンフーズはよく募集されていることが多いです。というの欠かせない商品だからです。
スーパーマーケット業界以外だとドラッグストアやホームセンター等の転職が多くなっています。
ドラッグストアの場合、登録販売者の資格を持っているとより有利になります。
ノンフーズ担当の大変さ
何を持って大変と見るか?ということもありますが、生鮮4部門に比べれば匂いがついたりしない分、大変では無いと言えます。
ただし洗剤等が入った重たい段ボール等を持ち運びするので腰痛に悩まされる人が多くなっていますが、これはスーパーマーケットで働く人の多くが経験していることです。
ノンフーズに勤めて3年以上経過した人で腰痛に悩まされない人の方が珍しいです。
ノンフーズ担当の面白さ
何に面白さを見出すか?ということにもよりますが、マーケティング的な根拠に基づいた発注に面白さを見出す人なら非常に面白い売場です。
生鮮4部門のような技術を覚えたいという人には面白みは欠けるかもしれません。
ノンフーズの売上
ノンフーズは食品7部門の中では一番売上が低いことが多いです。

各部門(売場)の売上構成比は下記の通りです。
青果 | 水産 | 畜産 | 惣菜 | 日配品 | 加工食品 | 非食品 | 合計 |
16.3% | 11.4% | 13.3% | 10.1% | 17.9% | 25.5% | 5.4% | 100.0% |
上記が一般的な食品メインの売上構成比です。
ただし上記の数字はあくまでも一般的な食品スーパー(SSM・SM)の数字です。薬局・医薬品売場もある場合は異なってきますし、競合の状況によっても変化します。
競合の状況とは、近くに安いと評判のドラッグストアがあれば売上は落ちますし、なければ売上は増します。
ノンフーズの粗利
ノンフーズは、あまり粗利自体は多くない傾向にあります。
というのも高いと売れないですし、競合の状況次第である程度は値合わせを行わないと売上が確保出来ないからです。
平均すると各部門ごとの粗利率は下記のようになっています。
農産 | 水産 | 畜産 | 惣菜 | 日配 | 加工食品 | 非食品 |
22.80% | 28.10% | 28.40% | 36.60% | 22.80% | 19.30% | 20.50% |
店舗ごとの戦略・戦術にもよりますが、基本的にはノンフーズはあまり粗利を取りにいかないところが多いです。
ノンフーズの営業利益
ノンフーズはあまり人員が多くないので、営業利益は高くなる傾向にありますが、売上額そのものが少ないことが多いので、金額ベースでは営業利益もあまり高くない傾向にあります。
ノンフーズの人件費
ノンフーズは極端な話、品揃えされていれば良いと考える店長や食品フロアの責任者は一定数いて、人件費を出来るだけ割かないようにしていることもあり、人件費は低い傾向にあります。
また商品そのものに消費期限はほぼないので、とりあえず山積みにしておいておけば良いと考えることもあり、最低限の人員で回していることも多くなっています。
ノンフーズという売場の特殊性
ノンフーズほどスーパーマーケット(会社)によって取扱う商品が異なる部門はないと先述していますが、GMSになると本当に変わってきます。特にイオンのようなGMSになると変化します。
H&BCという売場
GMSとなるイオンのノンフーズは、暮らしの品(住居余暇)というグループに属しています。
- 食品
- 暮らしの品(住居余暇)
- 衣料品・服飾品
暮らしの品は、イオンの場合、更に大きく3つに分類しています。
- ホームファッション
- ハード
- H&BC
ノンフーズは「H&BC((Health & Beauty Care)」というグループに属しています。
H&BCは、一般的なノンフーズ・化粧品・医薬品の3つのカテゴリーから成り立っています。
H&BCの責任者は薬剤師ということもあるのがイオンの面白いところです。
人員が少ない店舗の場合、薬剤師がトイレットペーパーや洗剤を並べていることもある訳です。
ドラッグストアなら普通にあることですが
介護系の商品も増えているノンフーズ
介護系の商品の売場もスーパーマーケットによってはかなり拡大しています。高齢者が増え介護に関する商品の品揃えが必要になっています。
店舗によってはお客さんの相談を受けることもあるので、介護系の資格を持っている人を募集している場合もあります。
ペット需要も増えている
地域特性もありますが、ペットを飼っている人が多い地域ではペットに関する商品も大きく取り扱っている場合があります。
食品以外全部面倒を見るという会社も
人が食べる食品以外は、すべてノンフーズが担当するというスーパーマーケット(会社)もあります。もちろん売上構成比は低いからという理由ですが、割とオールマイティに商品知識が必要になり大変な場合もあります。
商品は絞っているものの、布団関係やタオル関係を扱うことも多いです。また玩具も一部取り扱っていることがあります。
ノンフーズに関する補足事項・Q&A
上記で説明してきたこと以外でノンフーズ・日雑に関する疑問点に思うであろうことや補足事項です。
- Qノンフーズのアルバイトは大変?
- A
既に書いていますが、他の食品の部門に比べるとまだ楽なことが多いです。ただしスーパーマーケットの外にトイレットペーパーやティッシュペーパーが山積みになっているのを見たことがある人も多いかと思います。店の外で商品を並べたりすることもあるので、冬は寒かったり夏は暑かったりと、それなりには大変です。
- Q化粧品の試供品はもらえる?
- A
ノンフーズは一部化粧品も扱っている場合もあり、メーカー試供品がもらえることもあります。試供品は従業員が勝手にもらって良いのか?と言えば、それは会社・店舗によります。
使わないとわからないのだから、使って覚えるようにという上司もいれば、不公平だから店舗で使う分には良いけど持って帰るのは禁止とか、店舗・会社によってかなり異なります。
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