大手スーパーマケット名で「プロセスセンター」でのパート・アルバイトの募集があるけど、プロセスセンターって何?という方は多いと思います。
プロセスセンターとは何か?何のためにあるのか紹介します。
プロセスセンターについて
プロセスセンターは今のスーパーセンターには欠かせない施設・工場です。
プロセスセンターとは

プロセスセンターとは、スーパーマーケット等で並んでいる肉や魚などを中心に販売出来る状態にまで加工・パック詰め・ラベル付けを行い、場合によっては配送まで行う物流センターの1つです。
スーパーマーケット業界としては「プロセスセンター」を略して「PC」と言ったり「バックセンター」と言うこともあります。
プロセスセンターのメリット・役割

店舗毎に肉や魚の加工を行うとすると店舗毎に加工を行う技術を持った人が必要です。そのためどうしても人員が必要になり人件費も増える傾向にあります。
また肉等の塊を保管する場所(冷蔵庫・冷凍庫)、お肉を切ったりパックする人も必ず必要になります。
しかしこれらの作業を1箇所で行えば人件費も保管場所も節約することが出来ます。また物流センターに併設すれば他の荷物と一緒に納品出来るので、配送にかかるコストも削減出来ます。
つまりプロセスセンターは人件費を含む経費削減に繋がり、結果として消費者にも安く提供出来るようになるというメリットがあります。
もう少しわかりやすく図解すると下記のようになります。

今までは上記のように店舗毎に肉などまだ未加工のモノを納品して店舗で加工してパック詰めをしていました。

それをプロセスセンターで一括で行うことでいろいろなコストを削減することになります。
トラックのイラストが2つあるので、運送費は増えるのでは?と思うかもしれませんが、肉の塊などを納品する会社はプロセスセンターだけに納品すれば良いので、運送費は抑えられます。
また肉だけでなく、魚や惣菜なども加工するプロセスセンターから配送すれば、今まで別々に配送していたものが一緒に配送出来るので、更に運送費も下げられます。
肉だと想像しやすいかもしれませんが、魚でも内臓をとって鱗をとって、後は切り身にしたり刺身に出来る状態にすれば店舗での作業は軽減出来ます。
惣菜にしても揚げ物類であれば店舗で揚げるだけの状態にして納品すれば楽ですし、ポテトサラダ等のパック詰めされた商品もプロセスセンターで作ってもらえば売場の手間は減ります。
農産品にしてもカット野菜をプロセスセンターで作ることで店舗では並べるだけになります。
プロセスセンターは大きく3種類
プロセスセンターは大きく3種類に分類出来ます。
- 大手スーパーマーケットが単独で運営する
- 中小のスーパーマーケットが協同で運営する
- プロセスセンターが独自で運営して顧客は中小スーパーマーケット
ある程度の規模のスーパーマーケットになると独自でプロセスセンターを運営しています。イオンのような巨大小売業だけでなく、関東・首都圏のみで数十店舗運営しているスーパーマーケットでも独自にプロセスセンターを持っているところは多数あります。
また規模の小さな中小のスーパーマーケットが集まりプロセスセンターを運営している場合もあります。
プロセスセンターが独自で運営して顧客がスーパーマーケットとなるようにしているところもあります。
なお一部ですが、大手スーパー等とメーカーが協同でプロセスセンターを運営していることもあります。
畜産のプロセスセンターが最も多い
プロセスセンターは、農産物・水産物・畜産物・惣菜など広範囲で食品の加工・パック詰めを行いますが、一番多いプロセスセンターは畜産関係のプロセスセンターです。
水産物や農産物は鮮度が重要になることが多いため、どうしても店舗での加工の方が優先されます。しかし畜産物は、水産物や農産物に比べると鮮度はそれほど重要ではありません。
むしろ販売するため熟成させる期間が必要なことも多いので、鮮度そのものはあまり関係ありません。だから畜産のプロセスセンターが最も多くなっています。
なお駅ビルなどに入っている惣菜屋さんの惣菜もプロセスセンターで作ったものを量り売りしていることは最近増えています。もしくは後は混ぜるだけという状態に加工されたものを店舗で混ぜて販売していることもあります。
プロセスセンターを会社化していることも多い
スーパーマーケットを運営する会社がプロセスセンターを運営していることもありますが、プロセスセンターの別会社を設立して運営していることも多いです。
例えばイオンであれば「イオンフードサプライ株式会社」、セブン&iなら「株式会社Peace Deli」というように別会社にしています。
プロセスセンターの問題・デメリット
プロセスセンターは良いことばかりのように見えますが、当然デメリットもいくつかあります。
お客さんのニーズに応えられない
小さなスーパーマーケット、特にミニスーパーと呼ばれるところでは、ほとんどの商品をプロセスセンターから仕入れています。
そのため、店内には肉の加工や魚の加工、野菜の加工が出来る人がいないため、細かいお客さんのニーズには応えられないというデメリットがあります。
ただし都市型の小型スーパーである「ミニスーパー」があることで買物が楽になるメリットとどちらを選ぶか?ということになれば、買物が楽になることを選ぶ人の方が多いでしょう。
被害が拡大することもある
食中毒や異物混入などの被害が拡大することもあります。1店舗で加工しているだけなら1店舗だけで済みますが、プロセスセンターは多くの店舗に納品しているので複数店舗に拡大します。
もちろん食中毒に関しては細心の注意を払っているので滅多に起こることはありませんし、異物混入に関しても可能性のあるものは毎日のチェックは行われていますが、絶対に起こらないという保証がある訳ではありません。
プロセスセンターへの就職やアルバイト・パート
プロセスセンターは日本各地にあり、社員の募集やアルバイト・パートの募集も頻繁に行われています。
特にパートの募集は頻繁に行われています。
パートやアルバイトの仕事内容
パートの場合は実際に肉のスライスを行ったり、魚をおろしたりすることもあります。
また実際に惣菜の調理を行うこともあります。
アルバイトになるとパートよりは短時間になり技術を身につける時間が少なくなるため、基本的にパック詰めなどがメインの作業となります。
社員の仕事内容
社員は加工等の作業は基本的には行いません。
むしろどれだけ作るのかの計画や、トラックの手配・管理など事務的な作業がメインとなります。
もちろんパートの人が突然休んでしまって人員が足りない場合は、加工に入ることも多いため、元畜産売場で肉などの加工(スライス等)が出来る人が多い傾向にはあります。
そのためスーパーマーケットの畜産売場で働いていた人の転職先の1つにもなっていることが多いです。
以上、プロセスセンターについてでした。
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