GMS(General merchandise store・総合スーパー)

GMS(General merchandise store・総合スーパー) 店舗形態

GMS(General merchandise store・総合スーパー)は1960年代から登場したスーパーマーケットの業態の1つです。

GMSの定義や実際のGMSとはどういう店舗なのか詳しく紹介します。

GMSについて

GMSは年々減ってきているスーパーマーケットの業態です。

GMSとは?

GMS(スーパー)の売場

GMSとはGeneral merchandise storeの頭文字をとったもので、日本語にすると総合スーパー(総合スーパーマーケット)と言います。食品だけでなく、暮らしの品(家電やキッチン用品や文具、おもちゃ)から衣料品・服飾品までトータルで扱っているスーパーマーケットのことです。

細かい定義になると、食品・暮らしの品・衣料品(服飾品含む)等の3つ以上の部門を扱っていて、且つ1つの部門の売上構成比が70%以上となっていないこととなっています。

暮らしの品・衣料品を扱っていても食品の売上構成比が70%以上になると食品スーパー(SSM・SM)と定義されます。

多くのGMSは3つの部門で構成されています。

  • 食料品
  • 暮らしの品(家電やキッチン用品、文具 等)
  • 衣料品・服飾品

上記以外に、木材等を含めたホームセンター的な売場を展開している場合もあります。

また加えるのであれば、GMSは各売り場にレジがあり各売場での精算が基本とも言えます。

経済産業省はGMSにおいて大型総合スーパーと中型総合スーパーに分類しており、大型総合スーパーは売場面積が3000㎡以上(政令指定都市では6000㎡以上)、中型総合スーパーは売場面積が3000㎡未満(政令指定都市では6000㎡未満)としています。

*経済産業省の業態分類表により(参考リンク PDF)

3000㎡があまりピンと来ないと思いますが、縦横55メートルが約3000㎡なので、どうにか50メートル走が出来るくらいの広さということで、都市型の小学校の小さな運動場くらいの広さです。

実際にGMSと呼ばれるスーパーマーケット

GMSの看板

日本においてGMSと言われているスーパーマーケットはイオンを筆頭にイトーヨーカドー、アピタ、西友、ゆめタウン などがあります。

ただしどこもGMSは縮小傾向にあり、特にイオンを除き家電製品からはキッチン家電を除き縮小・撤退の方向にあります。

イオンのみがまだ一部店舗でデジタル家電(テレビやパソコン関係、録画機器等)を取り扱っており、昔からの消費者目線で見てGMSといえるのは既にイオンのみかもしれません。

また暮らしの品は縮小傾向にあり、衣料品(服飾品含む)の比重が高いのが最近の傾向です。

GMSとショッピングセンター・ショッピングモール

イオンモール

GMSとたまに勘違いされることがあるものの1つとして、ショッピングセンター・ショッピングモールがあります。

巨大な建物でいろいろな店舗が入っているショッピングセンターやショッピングモールは、全体的に見ればGMSに見えますが、GMSは1つの会社が3つ以上の部門(主に食品・暮らしの品・衣料品)を展開している業態であり、テナントで補っている場合は、GMSとは言いません。

イオン(イオングループ)も最近は、家電製品を中心にモール内にテナントを誘致してイオンの店舗としては家電製品はキッチン家電を扱うのみということも増えてきています。

スーパーセンター・ディスカウントストアとGMS

イオンスーパーセンター

GMSと同様に見られるもので「スーパーセンター」と「ディスカウントストア」があります。

イオンも「イオンスーパーセンター」を東北・北海道で展開していますが、スーパーセンターはスーパーマーケット業界・小売業界としては、GMSとは別のものとしています。

スーパーセンターの定義は概ね下記の通りです。

  • 基本的にはワンフロア(2階建て以上の多層階ではない)
  • レジは各売場というよりは集中レジが基本

また大型のドン・キホーテでも衣食住の商品すべてを扱っている店舗もありGMSのように見える部分もありますが、ドン・キホーテはスーパーマーケット業界・小売業界としては、ディスカウントストアとして別のものとしています。

GMSの今後と将来性とGMSへの就職・転職

GMSは今後どうなるのか?といった予想とGMSへの就職・転職はどうなのか紹介します。

GMSの今後と将来性

GMSは今後どうなるのか?と言えば縮小傾向になると言われています。

暮らしの品は、ニトリ等のホームファッションメインの業態やホームセンターがメインとなっていくと思われますし、衣料品にしてもユニクロ等のSPAと呼ばれるファストファッションがメインになっていくと思われます。

イオンがGMSの中で唯一頑張っているものの、GMSとしての黒字化は非常に難しいと言われています。

実際イオンはGMS事業以外はほとんどが黒字ですが、GMS事業は赤字が続いています。

イトーヨーカドーや西友もGMS店舗はどんどん減っており、特にイトーヨーカドーは暮らしの品は閉鎖して代わりのテナントを入れるようにしてきています。

また西友にしても暮らしの品の売場は縮小傾向で、テナント収入へと切り替えています。

正直なところ、GMSが再び上昇傾向になることは少子高齢化の日本で非常に難しいと言えます。

GMSは高齢者には売場が広すぎますし、若い世代は暮らしの品・衣料品をわざわざイオンで買うことは少ないですから。

GMSそのものは将来性は低いです。

GMSへの就職

GMSの将来性が低いことからGMSへ就職・転職も考え直した方が良いと思うかもしれませんが、そんなことはありません。

GMSと言っても暮らしの品や衣料品は専門店への就職・転職がしやすくなりますし、食品部門なら普通の食品スーパーマーケットへの転職も断然しやすいので、問題ありません。

担当する部門での社内資格や国家資格を取って転職のきっかけにするという人もいます。

または小売であることの最大限の強みである販売力・マーケティング力を磨いてコンサル系の会社への転職を視野に入れて働くことで、大幅なステップアップも見込めます。

以上、GMSについてでした。

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